2025-06-11
生成 AI 活用ログ (2025 年 6 月版)
最近は毎週毎日のように生成 AI 系のサービスや機能がリリースされており、自分が利用しているサービスや使い方も日々変わっているので、自分の使い方の紹介や備忘録がてらブログにまとめておく。
使っているもの
ChatGPT Pro
ChatGPT は一番使っている。ソフトウェアエンジニア業においてももちろん利用するし、ちょっとした生活の困り事であったり気になった物事や分野の調査であったり、なににおいてもまず ChatGPT に聞く、といった使い方をしている。
少し前までは気になったことがあれば Google 検索をしていたが、それが今では ChatGPT に調べさせるのが主となっている。Google で検索することもあるけど、いますぐに情報を知りたいときだったり、公式サイトのドキュメントを直接参照したいときであったり、ChatGPT に調べさせた結果が微妙だったときくらいしか Google 検索しない。調べ物の体験や効率はいままでとは格別に違うと感じる。
o3 が調査タスクに長けているということもあり、調べ物にはもう ChatGPT + o3 が手放せない。o3 は reasoning モデルだが、thinking の過程で Web Search をするのが非常に便利。調査でなくてもなにかを聞いたときに、質問の意味を理解 → 検索する必要があれば検索 → 検索結果を解釈 → 足りなければさらに検索、というプロセスを踏むので、ハルシネーションも少なく的を射た回答が返ってくることがほとんどだと感じる。明確に調査を依頼したタスクでは数十個もの文献をあたるので、軽量版 Deep Research という感じ。
Pro プランは登場したときからいまも使い続けている。登場当時は o1 pro mode がとても賢く、それを利用するために加入していたが、o3 が登場した今では o3 を無尽蔵に呼びだせるプランとして使っている。ただ、Plus プランでも o3 は一定量利用できるし $200/month はかなり高価だと感じるので、Plus プランへのダウングレードは検討中。
Claude Code + Max 20x Pro
いわゆる Vide Coding に Claude Code を活用している。プライベートのコーディングにとても便利。本サイトに VRT を導入したり (PR)、自分でやろうとすると腰が重いタスクをこなせて便利。
Max 20x Pro ($200/month) に課金しているのは、そのほうが安かったから。はじめはお試しがてら API 従量課金で利用していたが、控えめに利用しても 1 時間で $5 消費して常用には厳しいなと感じていた。それで Roo Code を Gemini 2.5 Pro で使っていたが、こちらは Claude Code に比べると安価で質も十分だったものの、これもまた使い込むと 1 日で 1,000 円は消費していて、完全プライベートの個人利用でさすがに厳しかった。これがすべて定額使い放題になるのは得でしかない。
別にプライベートで自分のためのコードを書かせるだけなんだし、そのためだけに $200/month も払うのは……という気にもなるが、一度面倒なコードを書かせてうまくいった体験があると、もう自分でコードを書かなくていいなという気持ちになる。
あと、定額だと従量課金に比べて大きく体験が変わる。従量課金だと「このくらいのタスクならコスパ悪いし自分でやろう」という節約の気持ちが生まれるが、定額だとそんなことは気にせずなんでも Claude Code でタスクをやらせるようになるし、とにかく行動を起こすハードルが下がる。自分で手を動かそうとすると初動のやる気が起きないと後手になりがちだが、一行だけでもやりたいことを書けばそれなりのコードが生成されるのがよい。ダメダメなコードを生成されても、自分で 0 から手を動かすよりもどこを直したいのかがわかった状態で手を動かすほうがやる気が起きやすい。
ちなみにもともと $100/month の Max 5x Pro プランで使っていたのだが、Claude 4 Opus が 1 タスクだけで rate limit になり使えなくなったり、並列でタスクを実行させていると Sonnet ですら rate limit になってしまったりしていたので $200/month のプランに変えた。Max なのに節約して使うという気持ちが働いていたので、本末転倒感があった。$200/month でも API 従量課金に比べるとかなり安いので、特に不満はない。
ccusage というツールで従量課金だった場合の試算をしてみると、むしろたったの $200/month でこんなに使わせてもらっていて大丈夫なんですか、と心配になる。

GitHub Copilot
Neovim 経由で賢い補完ツールとして使っている。ただそれだけの用途で使っており、それ以外の用途は現状見出せていない。
プラグインは copilot.lua を使っており、VS Code では利用できる Next Edit Suggestions も開発中のようなので楽しみ。
Web で利用できる Copilot Chat はリポジトリを横断しながらコードだけでなく issue/PR まで探索するような調査に便利そうなのだが、実際は精度がよくなく期待した結果が返ってこない。o3 を選択してもいまいち。
過去に使っていたが、いまは使っていないもの
VS Code + Roo Code
前述したが、Claude Code を従量課金で使うと高すぎたので、Roo Code を Gemini 2.5 Pro で使っていた。質は非常に満足していたのだが、Claude Code の定額という魅力にはどうしても勝てなかった。Claude Code にどっぷり浸っているいま思い返しても、特に見劣りすることはなく十分に使える印象。
特に Roo Code の、主に Orchestrator mode で使える Boomerang Tasks はとても便利。親となるエージェントがいて、そのエージェントがタスクを分割し、子エージェントにタスクを委譲して親はその結果だけ受け取るというもの。これによりトークン数が抑えられて、難しいタスクで LLM が忘却していくのをかなり防ぎやすくなる。Claude Code にも同じ仕組みはあるが、途中での介入が UI 的にやりにくく、扱いやすさは Roo Code のほうが優位に感じる。
あと、自分はターミナル環境が好きで VS Code になかなか慣れないという事情もある。Roo Code だと Neovim でコードを変更しながら VS Code を開いて指示すると言った形でやや二度手間になっていた。ターミナルで完結できる Claude Code はそれだけで魅力的。
Gemini
ここでの Gemini は API ではなく Web UI で利用できるチャットのこと。
高価な ChatGPT の代替として Gemini が使えるのではと思い使っていたのだが、o3 の利便性には勝てなかった。特に thinking 中に Web 検索をしてくれないのが o3 に比べると不便。あと性能としても o3 のほうが的を射た回答が返ってくる印象。レスポンスが速いのはよいところ。ほぼ毎回 1 分以上かかる o3 に比べると数秒で返してくれるので、その観点では体験が良い。
Roo Code と Gemini 2.5 Pro の組み合わせは安価で便利なので、なんらかの仕組みに組み込むときの安価な reasoning モデルの選択肢としてはかなりアリだと思う。
ChatGPT Codex
まだ Research Preview という立ち位置だからか、全然使い物にならない。リリース当初に比べると改善されてきているが、まだまだ荒削りな印象で、実用には厳しい。ざっくりと所感を書いておく。
- committer が自分になる (Bot ではない)
- commit に署名できないのが厳しい
- GitHub のトークンがない
- プライベートリポジトリで CI の情報を見たりできない
- あとから PR の title や description などを変更させられない
- MCP のような仕組みがなく外部連携ができない
- なにか修正をさせようとすると、1 から環境を作り直している
- 前の会話のコンテキストを覚えていない疑惑がある
- タスクの途中で
An unknown error occurred
になって落ちまくる (致命的)
定額で利用でき、モバイルからでもタスクを依頼できるコーディングエージェントとして非常に期待しているので、もっと頑張ってほしいところ。
GitHub Copilot Workspace
Web で使える自律的なコーディングエージェントとしてたまに使っていたのだが、サ終した。
現状の生成 AI に対する所感
生成 AI 活用はとにかくお金がかかるが、その分だけ恩恵を受けられるので時間を金で買っている感じがより強まっている。個人でも投資すべきだなと思う。ただ API 従量課金は高すぎるし、定額プランもいつまで続くか疑問に感じるので、投資対効果が高いのは今だけかも。もはやなくてはならない存在なので、なんとかなってほしい。
生成 AI の不満な点として、最近は Web 検索すると生成 AI の出力そのままの記事が散見されるのが非常につらさを感じる。自分で生成 AI に聞けばわかる程度か、その程度でもない情報量しかなく、厳しい。特に生成 AI 関連の情報を調べようとしたときにヒットしがち。前述のように o3 に検索を任せていると気にならないし、従来の Web 検索の終焉も近いのかもしれない。